Pythonは、そのシンプルな文法と汎用性の高さから、世界中で最も人気のあるプログラミング言語の一つとなっています。データサイエンス、Web開発、機械学習、自動化スクリプトなど、幅広い分野で活用されており、日本のIT企業でも需要が急増しています。

このガイドでは、プログラミング未経験者でも理解できるよう、Pythonの基本概念から実践的なコード例まで、段階的に解説していきます。

Pythonとは何か

Pythonは1991年にグイド・ヴァンロッサム氏によって開発されたプログラミング言語です。「読みやすさ」を重視して設計されており、英語に近い自然な構文が特徴です。

Pythonが選ばれる理由

Stack Overflow Developer Survey 2024によると、Pythonは「最も学びたい言語」で常に上位にランクインしています。初心者にとって学びやすく、かつ実務でも十分に通用する言語として高く評価されています。

Pythonの主な特徴

  • シンプルな文法: 他の言語と比較してコードが読みやすく、学習コストが低い
  • 豊富なライブラリ: データ分析用のpandas、機械学習用のTensorFlowなど、多様な用途に対応
  • クロスプラットフォーム: Windows、Mac、Linuxなど、様々なOSで動作
  • 活発なコミュニティ: 世界中に開発者がいるため、情報やサポートが得やすい

開発環境の準備

Pythonを始めるにはまず開発環境を整える必要があります。以下の手順で簡単にセットアップできます。

Pythonのインストール

Python公式サイト(python.org)から最新版をダウンロードしてインストールします。インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れることを忘れないでください。

インストールが完了したら、ターミナル(コマンドプロンプト)で以下のコマンドを実行して確認します:

python --version
Python 3.12.0

コードエディタの選択

Pythonのコードを書くためのエディタは多数ありますが、初心者には以下がおすすめです:

  • Visual Studio Code: 無料で高機能、拡張機能が豊富
  • PyCharm Community: Python専用IDE、コード補完が強力
  • IDLE: Pythonに付属の簡易エディタ、すぐに始められる

基本的な文法

Pythonの基本的な文法を見ていきましょう。まずは最も基本的な「Hello World」から始めます。

最初のプログラム

print("Hello, World!")
print("Pythonへようこそ!")

このコードを実行すると、画面に「Hello, World!」と「Pythonへようこそ!」が表示されます。print()関数は、括弧内の内容を画面に出力する命令です。

変数とデータ型

変数はデータを格納する「箱」のようなものです。Pythonでは変数を宣言する際に型を指定する必要がありません。

name = "田中太郎"
age = 25
height = 170.5
is_student = True

print(f"{name}さんは{age}歳です")

Pythonの主なデータ型は以下の通りです:

  • str (文字列): テキストデータ、クォーテーションで囲む
  • int (整数): 小数点を含まない数値
  • float (浮動小数点数): 小数点を含む数値
  • bool (真偽値): TrueまたはFalse
  • list (リスト): 複数の値を順序付けて格納
  • dict (辞書): キーと値のペアを格納
実践のヒント

変数名は分かりやすい名前をつけることが大切です。xaよりもuser_nametotal_priceのように、何を格納しているか一目で分かる名前を使いましょう。

制御構文

プログラムの流れを制御する構文について学びましょう。

条件分岐 (if文)

条件に応じて異なる処理を実行するには、if文を使用します。

score = 75

if score >= 80:
    print("優秀です")
elif score >= 60:
    print("合格です")
else:
    print("もう少し頑張りましょう")

Pythonではインデント(字下げ)がコードブロックを表します。if文の中の処理は、必ず同じインデント(通常は半角スペース4つ)で揃える必要があります。

繰り返し (for文, while文)

同じ処理を複数回実行するには、for文やwhile文を使います。

fruits = ["りんご", "バナナ", "オレンジ"]

for fruit in fruits:
    print(f"{fruit}が好きです")

count = 0
while count < 3:
    print(f"カウント: {count}")
    count += 1

関数の定義

関数は、特定の処理をまとめて再利用可能にしたものです。

def greet(name):
    return f"こんにちは、{name}さん!"

def calculate_tax(price, tax_rate=0.1):
    return price * (1 + tax_rate)

message = greet("鈴木")
print(message)

total = calculate_tax(1000)
print(f"税込価格: {total}円")

defキーワードで関数を定義し、returnで値を返します。引数にはデフォルト値を設定することもできます。

リストと辞書の操作

Pythonでは、複数のデータをまとめて扱うことができます。

リスト操作

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]

numbers.append(6)
numbers.insert(0, 0)
numbers.remove(3)

print(numbers[0])
print(numbers[-1])
print(numbers[1:4])

辞書操作

user = {
    "name": "山田花子",
    "age": 28,
    "city": "東京"
}

print(user["name"])
user["email"] = "hanako@example.com"

for key, value in user.items():
    print(f"{key}: {value}")

次のステップ

ここまでPythonの基礎を学んできました。さらにスキルを伸ばすためには、以下のステップをおすすめします:

  • 実際に小さなプログラムを作成して練習する
  • ファイル操作やエラー処理について学ぶ
  • 外部ライブラリ(pandas, requestsなど)の使い方を習得する
  • 簡単なWebアプリケーションを作成してみる

学習を進める際は、Python公式ドキュメントMDN Web Docsも参考になります。